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不動産の価格はどうやって決めているの?
さて、今回から2回にわたって
「不動産の価格」をテーマにお話しします。
不動産売却を考えたとき、最初に気になるのは
「自分の不動産にはどれくらいの価値があるのだろう?」
という点ではないでしょうか。
提示された査定額に対し、
「この価格は本当に妥当なのか」
「もっと高く売れるのではないか」
と疑問を抱く方も多いでしょう。
不動産の価格は、通貨や株のように多くの要因で変動します。
そのため、価格を正確に見極めるのは簡単ではありません。
しかし、「不動産の価格がどのように決まるのか」を知っておくことで、売却時の判断に役立つはずです。
不動産は高額ですが、その価格が需要と供給のバランスに影響される点については、不動産以外の商品と同じです。
しかし、不動産には定価がなく、その妥当性を一般の人が判断するのは難しいものです。
隣り合わせの不動産であっても、まったく同じ条件ということはなく、これにより査定額に違いが生じることもあります。
この「唯一無二の存在」であることが、不動産価格を判断する上での難しさを生むのです。
では、具体的に不動産の価格はどうやって決まるのでしょうか?
不動産の価格を決める要素
不動産価格の決定は一筋縄ではいきませんが、
「不動産鑑定評価基準」の考え方を知ることで、その価格を左右する要素が明らかになります。
なお、「不動産鑑定評価=売却価格」ではない点も覚えておきましょう。
不動産鑑定評価基準によれば、不動産の価格は以下の3つの要素が組み合わさって決まる経済的価値の金額です。
例えば、駅近で買い物にも便利な不動産を考えてみましょう。
交通の利便性や生活の便利さは「効用」が高く、駅に近い土地は限られているため、「希少性」も高いと言えます。
このような物件は「需要」も高いと予測できます。
この3つの要素がどれだけ満たされているかが、不動産の経済的価値、すなわち価格を決定します。
日常生活や経済活動での利用価値、収益性などが効用に含まれます。
例えば、都心部の限られた土地など、希少な条件を持っている場合、その価値は高くなります。
需要が高い不動産ほど、競争が生まれ、価格が上昇する傾向にあります。
不動産の価格に影響を与える要因
不動産価格を決める「効用」「相対的希少性」「有効需要」は、常に一定ではありません。
社会状況や周辺環境、不動産自体の変化により、価値は変動します。
そのため、不動産鑑定評価では、価値を形成する要因を具体的に示し、その推移や動向、それぞれの相互関係を詳細に分析します。
価格に影響を与える要因には次のようなものがあります。
世界情勢、政治経済の状態、人口動態や社会動態、気候、法制度など、国全体に影響を及ぼす要因。
2.地域要因
地方自治体の条例や要綱、都市計画や交通整備計画など、その不動産が所在する地域特有の要因。
3.個別的要因
土地の形状や接道条件、建物の築年数、面積、管理状態など、その不動産固有の要因。
これらの詳細については、次回詳しくご紹介します。